祭りのあと
夏はあまり好きじゃないけど、夏の終わりは好きです。
それは夏が好きじゃないから終わるのがうれしいのではなく、
夏が逝くときの景色の佇まいは、祭りのあとみたいで
過ぎ去った熱っぽさや、馬鹿馬鹿しいほどの暑苦しさだとかへの
郷愁がこみ上げてくるからかもしれない。
郷愁、という感情をかなり愛しているせいでもあるかもしれない。
何だかとても普通で些細なことに心を躍らされることがたまにあり、
今日はそういう日だったみたいで、
白い車を洗ってるおじさんやプール帰り、一人で歩いている子供の側を
自転車で通り過ぎては、なぜか無性に微笑ましくて
まだとても暑い最中なのに夏の終わりを感じていました。
秋はいちばん好きな季節です。
それはもう、気違いじみて好きです。
「今、季節は秋だ」ということだけで頬の筋肉が緩んでしょうがないくらい。
私の大好きな恵比寿という町にも、
個人的にはやっぱり秋がいちばん似合うと思う。
秋になったら何をせずともただ日がな一日、ブラブラと徘徊しようと
楽しみにしています。
それなのに、秋の終わりは寂しくない。
冬が来る、ということのほうが観念として強いからでしょうか。
そして冬が来ては逝き、春が来て、また私の嫌いな夏が来ます。
No seasons, No life !! なんて。